お墓と相続財産
法テラスのツイートをネタにしようと考えた坂口です、こんばんは。
昔のブログで記載した内容をブラッシュアップしてこちらに記載することも考えています。
お墓は相続されるの?
【お墓は相続されるの?】お墓は祭祀用財産とされ、相続財産にはなりません。遺産分割とは別の手続きで祭祀を承継する人を決めることになります。被相続人が遺言で指定することも、生前に口頭や書面で指定することもできます。承継する人は必ずしも法定相続人でなくてもよく、友人でも構いません。
— 法テラス(広報) (@houterasu_4_10) 2014, 7月 7
ここに結論が書かれていますが、もう少し詳しく解説したいと思います。
民法に規定されている祭事に関する権利の承継
(相続の一般的効力)
第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。(祭祀に関する権利の承継)
第八百九十七条 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。2 前項の本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。
祭祀主宰者(さいししゅさいしゃ)
祭祀 【さいし】
神や祖先を祭ること。「祭祀財産」とは墓、仏壇、神棚などのこと。遺産相続の際に控除される。「祭祀主宰者」とは墓などの祭祀財産を管理したり、葬儀の喪主を務めるなど祭祀を行う者。Weblio辞書より
この祭祀を主宰する人のことを祭祀主宰者といいます。要するに喪主などのことですね。
祭祀主宰者は
によって定まります。
被相続人の指定方法に制限はありません。生前行為でも遺言でもよく、口頭・書面・明治・黙示を問いません。
祭祀財産
系譜・祭具及び墳墓と規定されています。
【系譜】
歴代の家長を中心に代々の系統を表示するもので、系図など
【祭具】
位牌や仏壇のことで、これらとセットになるもの(従物)など
簡単に言えば祭祀のための道具ですね。
【墳墓】
遺体や遺骨を埋葬している設備のことで、墓石や墓標、埋棺など
※敷地である墓地については墳墓に含まれるか争いがあります
祭祀財産の承継
祭祀財産を所有する被相続人が死亡したとき、祭祀主宰者が法律上当然に承継することになります。主宰者になることを辞退できないですし、祭祀財産の承継を放棄することもできません。
指定されたら厄介と思われるかもしれませんが、祭祀義務を負わされるというわけではありません。
さらに、承継後に主宰者が祭祀財産を処分することは自由なので、相続人が反対したり返還を求めることはできません。
(広島高判昭26・10・31)
(結論)祭祀財産は遺産分割の対象にはなりません
祭祀財産に含まれるものについては祭祀主宰者が当然に承継します。