もしも飼い犬が飛び出してしまったら
小型犬やネコなどを室内で飼うかたはたくさんいらっしゃいますが、ドアの開け閉めなどで外に飛び出しそうになった経験はありますか?
もしも飛び出した先で車に跳ねられてしまったとき、その責任問題はどうなるのでしょうか。
一審を不服として控訴された事案*1をご紹介します。
うちの犬が飛び出して跳ねられた!
自宅兼店舗で飼われていた犬2匹が台を運び入れる際に外へ出てしまいました。
歩行者用信号が点滅していたのですが、先に作業を終わらせようとしていたらタクシーに跳ねられ、一匹は死亡しもう一匹も骨折してしまいます。
それぞれの主張
飼い主はタクシーが法定速度超過や赤信号にもかかわらず進んだなどの主張をする一方、タクシー側はそのような事実はなく、レジ袋と見間違えたので減速などをしなかったと争いました。
それぞれの賠償額
裁判所はタクシーに信号無視はなかったなどの判断をして、この事故の過失割合は、
飼い主 8割 タクシー側 2割
と認定され、タクシー側は約20万円(修理費約23万円の8割+弁護士費用2万円)、飼い主側は慰謝料を含む約8万円(約36万円の2割+弁護士費用1万円)の請求がそれぞれ認められました。
さいごに
飛び出してしまってもちょっと作業を終わらせてから……なんて考えていると、もしもこのような事故が起こってしまったときに大切な家族を失ってしまうばかりか、相手側へ支払わなければいけないことになるかもしれません。
外に出てしまいそうなときにはリードに繋いでおくなど、しっかりと対策を講じるようにしましょう。
大切な家族のためにも──
*1:大阪地裁平成18年3月22日判決