司法書士のつぶやき

愛知県春日井市(勝川)の司法書士が日々の業務を通じて感じていることや、ニュースその他の雑感を綴っています。

プレゼントと贈与

クリスマスの翌日ともなると、インターネットオークションやフリーマーケットなどでプレゼントと思しき品が出品されているのを目の当たりにすると、なんとも言えない気持ちになってしまう坂口です、こんにちは。

そういえば無線LANケーブルなんてものも売っているそうですが、有線なのか無線なのかさっぱりわかりませんね。

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プレゼントについて

一般的にプレゼントは対価を要求するものではありません。
つまり贈与契約です。

こういってしまうと大げさだなと感じてしまいますが、これも立派な契約となります。

書面と契約

契約というと書面を交わすイメージが強いかもしれませんが、法律上書面を要求していないものも多数あります。

贈与契約も書面を必要とはしていません。

では契約書を交わしたときは何か違いが生まれるのでしょうか?

実は、大きな違いがあり、民法に次のように定められています。

(書面によらない贈与の撤回)
第五百五十条  書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。

つまり、書面による贈与の場合は一方的に撤回することができないということです。

贈与と撤回

書面にしていない口約束だけの贈与は、
「あげるって言ったけど、気が変わったからあげない」
と言うのは問題はありません。

しかし、但書きのところに注意が必要です

履行の終わった部分については、この限りでない。」

これは、一般的なプレゼントである動産の場合、引渡しを意味します。

プレゼントを相手方に贈ってしまうと、この履行が終わったことを意味するので、一方的な撤回はできません。

負担付贈与とは

「あげる代わりに○○をやってくれ」

これは貰うだけではなく義務がくっついているもので、単純な贈与ではなく負担付贈与と言います。

(負担付贈与)
第五百五十三条  負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する。

法律上、贈与と負担付贈与は区別されているため、貰った側が義務を果たすまで拒むこと(同時履行の抗弁権)や義務を果たさないときには解除することができるという点で、贈与と異なります。

※ただし、解除については無制限に認められるわけではないことに注意

税金について

プレゼントが贈与であるなら、当然贈与税も関係してきます。

個人からもらった香典・花輪代・年末年始の贈答・祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるものについては非課税なので、一般的に税金が課されるケースは少ないと思いますが、絶対ないとは言い切れません。

以下に国税庁の贈与税に関するページをリンクしておきますので、気になる方はご参照ください。

贈与と税金|贈与税|国税庁

また、貰ったプレゼントを売却する場合は贈与税よりも身近に課税対象となることがあります。

バレなければいいなんて考えないようにしましょう。

税金については専門家である税理士から具体的なアドバイスをいただくようにお願いします。