司法書士のつぶやき

愛知県春日井市(勝川)の司法書士が日々の業務を通じて感じていることや、ニュースその他の雑感を綴っています。

公正証書遺言と自筆証書遺言の違い

最近、近くの喫茶店でモーニングまたはランチをいただいています。
ヘルシーメニューなので、とても重宝している坂口です。

公正証書遺言と自筆証書遺言の違いについて

遺言を作成しておくことは、相続を「争族」にしないためのひとつの手段です。
インターネットで「遺言作成」と検索をすると、公正証書遺言・自筆証書遺言という言葉を目にすることになると思いますが、その違いについてを今回のテーマとします。

公正証書遺言とは

二人の証人とともに公証人役場で遺言の内容を口頭で公証人に伝え、文書化してもらうもので、遺言の原本は公証役場で保管してもらえます。

メリット
・偽造の心配や紛失の心配がほとんど無い
・全国どこの公証役場からでも、遺言の有無を調べられる
・公証人が作成する為、不備により無効ということがない
・死後に、遺言書の検認申立を行う必要が無いため、相続手続がスムーズに進行しやすい

デメリット
・証人を2人頼まなくてはいけない
・証人に遺言の内容が知られてしまい、内容が漏れる恐れがある
・必要な書類を持参していかなくてはならない
・公証人に手数料を払う必要がある

自筆証書遺言とは

本人が全文を手書きするものです。
形式が法律で定められているため、どれか一つでも足りないと無効になります。

メリット
・自分で書くのでお金が掛からない。
・遺言を書いたことを秘密にしておける。
デメリット
・誤字訂正を含め形式が厳格であるため、遺言書が無効になることがある
・誰かに偽造されたり隠されたりされる可能せいがある
・遺言が発見されないことがある
家庭裁判所遺言書の検認申立を行う必要がある

まとめ

このように、それぞれメリットデメリットがあります。
作成費用やご家族などの関係などを考慮してどちらを選択するか決めた方がよいと考えます。

最近では市販の遺言書作成キットなども販売されていますので、そちらを利用されるのも手ではあります。
しかし、遺留分(※)を侵害している内容だった場合など、せっかく遺言書を作成しても結果的に「争族」に発展する可能性があるため、不安に感じられたときはお近くの司法書士や弁護士へのご相談をおすすめします。

遺留分とは

法律上守られている相続人の権利のことを指します。
詳しくは遺言書とその費用をご参照ください。