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司法書士のつぶやき

愛知県春日井市(勝川)の司法書士が日々の業務を通じて感じていることや、ニュースその他の雑感を綴っています。

生命保険金は相続財産に含まれるの?

最近ゲリラ豪雨に遭うことが心なしか多くなっているように感じる坂口です。
そもそも昔はこの「ゲリラ豪雨」という言葉がなかったような気がしますが、気候が変わってきているのでしょうか。

以下の記事は以前のBlogの転載(一部加筆修正)となります。

生命保険金と相続財産

以前、次のようなご相談がありました。

「生命保険金は相続財産に入るのでしょうか」

原則として生命保険金は相続財産ではなく受取人固有の財産となるため、遺産分割の対象にはなりません。
保険は受取人を指定した場合、他人のための保険契約だからです。

 保険契約者の意思を合理的に推測して、保険事故発生の時において被指定者を特定し得る以上、右の如き指定も有効であり、特段の事情のないかぎり、右指定は、被保険者死亡の時における、すなわち保険金請求権発生当時の相続人たるべき者個人を受取人として特に指定したいわゆる他人のための保険契約と解するのが相当であつて...保険金受取人としてその請求権発生当時の相続人たるべき個人を特に指定した場合には、右請求権は、保険契約の効力発生と同時に右相続人の固有財産となり、被保険者(兼保険契約者)の遺産より離脱しているものといわねばならない。
最判昭40・2・2(最高裁判例情報より引用)

保険金受取人について

受取人を指定しなかった場合はどうなるのでしょうか。

保険証券の死亡保険金受取人欄に「相続人となる場合は記入不要です」と注意書きがあった場合は法定相続人が受取人となります。
では保険金は相続人同士で平等かというとそうではなく、原則として各保険金受取人の持つ権利の割合は、相続分の割合です。

保険契約において、保険契約者が死亡保険金の受取人を被保険者の相続人」と指定した場合は、特段の事情のない限り、右指定には、相続人が保険金を受け取るべき権利の割合を相続分の割合によるとする旨の指定も含まれているものと解するのが相当である。
最判平6・7・18(最高裁判例情報より引用)

あちこちに「原則として」とありますが、たとえば生命保険金額が大きく、保険金受取人である相続人とそうでない相続人との間であまりに不公平な状態だった場合は、相続財産とみなすことになります。

保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には,同条の類推適用により,当該死亡保険金請求権は特別受益に準じて持戻しの対象となると解するのが相当である。
最判平16・10・29(最高裁判例情報より引用)

この「あまりに不公平な状態」は遺産の総額に対する比率や同居の有無、介護などの貢献度合いなどから判断されます。

実はこういった内容のことを小説に仕立ててみようと少し書いてみたのですが、文才があまりないということに加えてそもそも需要がないという判断から、お蔵入りさせました。

愛知県春日井市(勝川)の司法書士事務所

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