司法書士のつぶやき

愛知県春日井市(勝川)の司法書士が日々の業務を通じて感じていることや、ニュースその他の雑感を綴っています。

司法書士試験における書式の解き方~商業登記法

すでに夏のような暑さのため、やや溶けかかっている坂口です。こんにちは。

商業登記法書式の解き方

以前は不動産登記法書式について軽く触れました。
今回は商業登記法です。

不動産登記法との違い

不動産登記では連件を強く意識するように記載しました。
商業登記は(実務の場合は稀にありますが)いわゆる連件申請を要求されることはないと思います。
(経由同時申請を除く)

しかし、たとえば先に募集株式を発行するといった株式数に影響を及ぼす行為があったときには、後の申請で登記申請可否や株式数などを間違えてしまうことになります。
不動産登記と同様に注意を払う必要があります。

役員に関して

採点基準が明確になっていないため断言はできませんが、役員に関する配点は高いと推測されます。

(実務において役員の登記を間違えるというのは論外ですから)

特に次の点に関しては強くアンテナを張っておくに越したことはありません。

  • 機関設計
  • 権利義務
  • 兼任禁止
  • 会計監査人のみなし重任
  • 取締役会設置会社の定め廃止による代表権付与
  • 「退任」「資格喪失」「資格喪失により退任」の別
  • 仮会計監査人
その他
  • 支店・支配人(支配人を置いた営業所移転・代理権消滅等)
  • 譲渡制限株式と4倍ルール・機関設計

おわりに

キーワードに対して何をチェックすべきかというのは、かなり定型化しています。
そういったカードをどれだけ揃えられるか、引き出せるかが勝負です。

時間不足になってしまったとしても、確実に加点を確保できるところを優先的に記載しましょう。
(たとえば、「登記すべき事由」や組織再編系における消滅会社等)

焦ったら負けです。
択一を含めて時間配分にも気を配れるよう模擬試験で練習しておくことをおすすめします。

賃貸借と敷金トラブル~負担に関する具体例

前回からだいぶ間が空いてしまって申し訳ありません。

経年変化と負担基準の具体例

今回は経年劣化に関する具体例をいくつかご紹介します。
国都交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を基に作成してあります。

フローリングについて

ワックスがけ

賃貸人(大家)負担

ワックスがけは通常の生活において必ず行うとまでは言い切れず、物件の維持管理の意味合いが強いことから、賃貸人負担とすることが妥当

家具の設置跡

賃貸人(大家)負担

家具保有数が多いという我が国の実状に鑑みその設置は必然的なものであり、設置したことだけによるへこみ、跡は通常の使用による損耗ととらえるのが妥当

シミ・カビ

賃借人(借主)負担

飲み物等をこぼすこと自体は通常の生活の範囲と考えられるが、その後の手入れ不足等で生じたシミ・カビの除去は賃借人の負担により実施するのが妥当

色落ち

不注意によるものの場合、賃借人(借主)負担

不注意で雨が吹き込んだことなどによるものは、賃借人の善管注意義務違反に該当する場合が多い

壁・天井(クロス)

テレビの裏等の黒ずみ(電気焼け)

賃貸人(大家)負担

テレビ、冷蔵庫は通常一般的な生活をしていくうえで必需品であり、その使用による電気ヤケは通常の使用ととらえるのが妥当

※カビではなく電気焼けが原因の場合です

台所の油汚れ

原則賃借人(借主)負担

使用後の手入れが悪くススや油 が付着している場合は、通常の 使用による損耗を超えるものと 判断されることが多い

タバコ等のヤニ・臭い

賃借人(借主)負担

喫煙等によりクロス等がヤニで変色したり臭いが付着している場合は、通常の使用による汚損を超えるものと判断される場合が多いと考えられる
なお、賃貸物件での喫煙等が禁じられている場合は、用法違反にあたる

ねじ穴・釘穴

賃借人(借主)負担

重量物の掲示等のためのくぎ、ネジ穴は、画鋲等のものに比べて深く、範囲も広いため、通常の使用による損耗を超えると判断されることが多いと考えられる
なお、地震等に対する家具転倒防止の措置については、予め、賃貸人の承諾、または、くぎやネジを使用しない方法等の検討が考えられる

その他

ハウスクリーニング

賃貸人(大家)負担

賃借人が通常の清掃(具体的には、ゴミの撤去、掃き掃除、拭き掃除、水回り、換気扇、レンジ回りの油汚れの除去等)を実施している場合は次の入居者確保のためのものであり、賃貸人負担とすることが妥当

鍵の交換

賃貸人(大家)負担

居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当

換気扇等の油汚れ・洗面台等の水垢

原則賃借人(借主)負担

使用期間中に、その清掃・手入れを怠った結果汚損が生じた場合は、賃借人の善管注意義務違反に該当すると判断されることが多い

さいごに

借主負担の項目については交換単位や経過年数の考慮といった問題も生じてきます。

経過年数についてはガイドラインに耐用年数も記載してありますので、入居時の状況と耐用年数を基に、賃借人(借主)の負担割合が決まります。

この記事で紹介しきれていない部分などについて疑問がある場合は一度ガイドラインに目を通されるか、弁護士または司法書士にご相談ください。

司法書士試験における書式の解き方~不動産登記法

今日はとても暖かいですね。
一時期外出するとくしゃみをしていましたが、季節の変わり目で体調を崩していただけであって花粉症に罹患したわけではないと信じています。

司法書士試験における書式について

特に隠していたわけではないのですが、某予備校の模擬試験(答練)書式添削業務を依頼されて今年で5年目となりました。

私自身の経験も踏まえて、書式に対する個人的な考え方を少し綴ってみようと思ったため、前回の続きではないことをご了承ください。

不動産登記法

体感にすぎませんが、商業登記法よりは高得点を狙いやすいと思います。
その為に注意すべきことは次のとおりです。

連件を強く意識する

ほぼ確実に言えることは、いわゆる連件崩れを起こしてはいけないということです。

たとえば、最初に所有権登記名義人住所変更登記(名変登記)を申請する必要があるにもかかわらず、これを見落としてしまうと連件の枠がズレてしまいます。
本試験での採点基準は謎に包まれているとはいえ、実務においてもこの申請を飛ばしてしまうと補正ではなく取下げとなるため、連件外しは致命的なミスと考えておくべきでしょう。

名変登記の省略要件についてもしっかり把握する必要があります。

この他にも生前売買などにおける前提としての相続登記の要否なども連件に関係するため、特に意識しなければなりません。

また、一の申請で足りるか分けなければいけないのかなど、連件にかかる注意点はたくさんあります。
ここを蔑ろにしてしまうと、折角実体判断は見抜けていても加点されないということになってしまうので、根気強く勉強をするとともに試験においても意識しましょう。

根抵当権の元本確定判断

根抵当権が出題されている場合は、元本が確定しているか否かの判断がセットになってきます。
この判断を誤ると後件の申請や登記できない事項欄を間違うという連鎖を引き起こします。

元本確定の判断が合否を分けるといっても過言ではありません。正確に判断できるようにしておきましょう。
そのためにも、事実関係だけではなく登記記録に確定期日が記録されているかどうかに注意を払わないと、足をすくわれてしまいます。

先の連件とも関係しますが、元本確定登記の要否についても把握しておかないと枠が外れてしまう事にも注意が必要です。

相続人の判断と相続分

相続が論点になっているときは相続人の判断が重要です。

相続人の判断を誤ると、後件の申請において義務者が変わってきてしまうため、申請人や添付情報もミスをしてしまいます。

数次相続と代襲相続における相続人の違い、相続放棄などに気を付けましょう。

注意書きについて

実体判断はできていても注意書きを読み飛ばしているがために連件の順番を間違うことがあります。
また、申請人の住所や法人の代表者名、会社法人番号などの記載が要求されているのか省略してもいいのかといったことにも意識を向けないと、余剰記載や記載不足となります。

いつもの通りと流し読みをしすぎないようにしましょう。

まとめ

不動産登記書式を解くときには、実体判断と連件の組み方に時間を費やしましょう。
連件を外してしまっては合格が絶望的となります。

細かいひな形が要求されている部分については、どのような申請が必要かということを試験官に伝わる程度で構いません。
正確に記載できていない限り加点されない可能性が高いです。

この試験では満点を要求されているわけではないので、細かいひな形にこだわっていると時間不足に陥る可能性があります。
どこに時間をかけるのかも合否に強く影響を与えることを意識しましょう。

不動産登記法だけでもそれなりのボリュームになってしまったため、商業登記法に関してはまた別の機会に。

賃貸借と敷金トラブル~経年変化(経年劣化)について

新年度になりました。
日本は新年(1月)と新年度(4月)の二つがあるため、一年の経過が早く感じられる気がします。私だけかもしれませんが。

原状回復義務と経年変化(経年劣化)

今回は経年劣化についてご紹介します。
具体的には総務省ガイドライン次の部分の解説です。

経年変化・通常損耗は必ず前提になっており、経年変化・通常損耗の分は、賃借人は賃料として支払ってきているところで、賃借人が明け渡し時に負担すべき費用にならないはずである。したがって、このような分まで賃借人が明け渡しに際して負担しなければならないとすると、経年変化・通常損耗の分が賃貸借契約期間中と明け渡し時とで二重に評価されることになるため、賃貸人と賃借人間の費用負担の配分について合理性を欠くことになる。 

「形あるものいつかは壊れる」なんていう格言もあります。
どんなに丁寧に扱っていても自然と物は劣化していくのに、それを引き払うとき借主に負担させるのは酷だよねということです。

そこで、借りていた期間に応じて借主の負担を減らそうというのが、この「経過年数による考え方の導入(経年劣化考慮)」です。

具体的には、耐用年数経過時に残存簿価1円まで償却されます。

残存価値の償却

カーペット

償却年数は6年で残存価値1円となるような直線(または曲線)を描いて経過年数により賃借人の負担を決定することになります。

年数が経つほど賃借人の負担割合は減少することになり、6年以上使われていたのであれば、その価値は1円にすぎないということです。

そして、入居時に新品ではなかった場合、経過年数のグラフそのものが下方修正されることになるため、耐用年数が6年のものであっても6年未満で価値が1円にまで下がります。

フローリング

フローリングは部分補修ということが馴染まない(部分的に補修することは少ないし、将来的に全体を張り替えることになる)という性質があります。

そこで、フローリングの部分補修についてはこの経年劣化を考えないということになります。
ただし、全体的に傷つけているといった理由でフローリング全体を張り替えた場合には経年劣化を考慮します。

注意義務との関係

どうせ経年劣化するからといって、荒っぽい使い方などをしたことにより(善管注意義務違反 前回記事参照)修理や工事をしなければならないときは、借主が費用負担をしなければなりません。

節度を持った使い方をしなければならないということですね。

 

次回最終回は、より具体例を増やした解説をします。

 

敷金と原状回復について(ガイドラインの解説その1)

今日は暖かいです。
若干鼻が気になりますがまだ自分が花粉症であることを認めたくはありません。

賃貸借と原状回復について

前回ご紹介したガイドラインの解説編(その1)となります。
長くなりそうな気がするのでその1とさせていただきました。
また、確定ではありませんがオーナーさんが悩まれているであろう内容についても、賃貸借にまつわる内容ということで記事にする予定です。

原状回復の定義

原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること

 建物や設備の価値が下がる要因は次のように考える事になります。

1.経年変化

物質である以上時間と共に劣化していきます。壁のクロスやフローリングなどの日焼けなどは避けることができません。
このように自然に劣化していくことを考慮する必要があります。

2.通常損耗

使うということは、どんなに丁寧に扱っていても劣化していくものです。たとえば住む以上家具を置かざるを得ないのですが、その際どうしても重みでへこみができてしまいます。
このように通常使っていれば当然のように傷ついてしまうようなものも考慮することになります。

これら2つについては借りている人の責任ではないので、貸している側が負担すべきものとなります。

3.賃借人の故意・過失、善管注意義務違反など

借りている人は、通常期待される注意義務(善良な管理者としての注意義務)を負うことになります。
したがって、わざと(故意)やうっかり(過失)で傷つけたりしてしまった場合は借りている人の責任となるため、借主が負担すべきものとなります。

次回は、これらのうち経年変化(経過年数)について解説していきます。

 

実際にこの3月で引っ越される方については、退去して掃除した後の状態を写真で記録しておくことを強くおすすめします。

逆にこの3月末や4月から入居される方は、引越前の状態を写真で記録しておくことを強くおすすめします。 

敷金にまつわるトラブルについて

ブログではご無沙汰しております、坂口です。
三寒四温とはよく言ったもので、温かくなったり寒くなったりと体調管理をしっかり行わないと崩してしまいそうです。

引越と敷金トラブル

3月は引越のシーズンです。
転居するにあたって、従前借りていた物件の精算をすることになります。

敷金は原則として全額戻ってくるものですが、そもそも敷金とはどういったものなのでしょうか。

敷金とは

入居にあたって、大家さんに預けておくお金です。
これは、家賃の未払い分や退去時の修繕費・清掃費などに充てるためのもので、保証金と呼ばれることもあります。

敷金の返還原則

事前に預けているお金ですから、退去するときに全額返還されるのが原則です。
そのときに未払い家賃があったとするならば、敷金から差し引かれるのは誰もが納得することでしょう。
問題となるのは修繕費・清掃費です。

トラブルとなりやすい修繕費・清掃費

退去時の精算として敷金が戻ってくるどころか追加費用を請求されるといったケースも見受けられます。

そもそも退去する際には借りる前と同じ状態にして(元の状態に戻して)返す必要があり、専門用語で「原状回復」と呼びます。

元の状態に戻すということから、修繕費や清掃費というものが発生するわけですが、通常どんなに物件を傷つけないように気を付けて生活していても、劣化していくものがあります。

たとえば、日焼けしてしまった壁紙や多少の擦れ傷がついてしまったフローリングなどです。
こういった経年劣化するようなものにまで、借主はすべて負担しなければならないのでしょうか。

すでにこういったトラブルを受けて、国土交通省は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」というものを公開しています。

リンク先の内容を読んでいただくと全貌がわかるのですが、量が膨大ということもあるため、次回からこのガイドラインを分割して説明していこうと思います。

相続について思うところ

このブログの存在を若干忘れかけていた坂口です、こんばんは。
それにしても一気に冷え込みましたね。風邪をひかないように注意しないといけません。

相続登記について

相続による名義変更のご相談で、亡くなった方が5年以上前だったというケースが続きました。
登記するにあたって、亡くなった方の最後の住所地と登記簿上の住所とをつなげるために住民票除票が必要となります。

除票と附票

除票の保存期間は亡くなってから5年と決まっているため、除票を手に入れることができません。

配偶者の方が存命であれば、戸籍の附票というものにも住所が記録されているため、こちらを使うことができます。(戸籍の附票の保存期間も除籍されてから5年です)
しかしそうでない場合は上申書や権利証などが必要となってきてしまいます。

こちらにも記載してありますが、亡くなられてから長期間名義変更をされないでいると、さまざまな不都合が生じる可能性を秘めています。

遺産分割協議書と印鑑証明書

遺言などがない場合は、名義変更において遺産分割協議書も法務局に提出しなければなりません。
しかし、協議書を紛失してしまっているときには改めて作成し、相続人全員に実印による捺印が必要となります。
また、印鑑証明書も用意していただくことになります。

おわりに

名義変更については法律上の義務ではありませんが、早い段階でされた方が費用も安くすむことを多くの方に知っていただきたいです。

 

続)商業登記について

最近朝晩くしゃみなどが止まらない坂口です、こんにちは。
今日たまたま税理士の先生とお電話した際イネ科の花粉症が話題に挙がったので、もしかしたら花粉症デビューしてしまったのかもしれません。まったく嬉しくないです。

 

本題

前回商業登記について記載しましたがその続きになります。
やはり備忘録に近い形になってしまうことを予めご了承願います。

代表取締役の辞任

(添付書面)
第六十一条  (略)
2  (略)
3  (略)
4  (略)
5  (略)
6  代表取締役若しくは代表執行役又は取締役若しくは執行役(登記所に印鑑を提出した者に限る。以下この項において「代表取締役等」という。)の辞任による変更の登記の申請書には、当該代表取締役等が辞任を証する書面に押印した印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と当該代表取締役等が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。

 この条文により、印鑑届により会社の実印登録をされた会社の代表取締役が辞任される際には、個人の実印及び印鑑証明書の添付が必要となりました。

 ただし書にあるとおり、会社の実印を用いる場合には適用されないことになりますが、少なくとも当事務所においては代表者の辞任意思を明確に証する為に個人の実印が押印された辞任届及び印鑑証明書をお願いすることにしています。

 

印鑑カード

 代表者が変更する際、新代表者の印鑑届を提出する必要があります。
 その際従前の印鑑カードを引き継ぐのが一般的ですが、万が一紛失されているときには事前に前代表者より印鑑カード廃止届及び印鑑カード交付申請を行っておくとスムーズに手続きが進みます。

 その他の方法もあるのですが、役員変更と同時に管轄外本店移転が決議される場合、出張による旅費日当が高くついてしまうことから手続の流れとしてこの方法で統一させていただいています。

 

おわりに

 備忘録というよりも当事務所の方針と協力依頼のような形になってしまいました。
 司法書士事務所ごとに手続き方法が異なることもあります。ご不明な場合は事務所にお問い合わせいただくと確実です。

商業登記について

 暑くなったり寒くなったりで、風邪をひきかけている気がする坂口です、こんにちは。
 今回の内容は備忘録も兼ねて。

商業登記規則の変更

1)株式会社の設立または役員(取締役・監査役等)の就任

 平成27年2月3日商業登記規則等の一部を改正する省令が公布され、同月27日より施行されています。

 具体的には次のような変更です。

 本人確認証明書として

(ⅰ)印鑑証明書

(ⅱ)住民票の写し

(ⅲ)免許証の写し
    原本証明として
     「原本に相違ありません」「氏名」の自署・捺印

 が必要となります。

 ※再任の場合は必要ありません

 また、株主総会における席上就任承諾の場合は、議事録に役員の氏名のほか住所も記載する必要があります。
 議事録に住所の記載がないときは、住所氏名が記載された就任承諾書を添付する必要があります。

2)監査役の監査の権限

 従来、会社法における監査役設置会社と商業登記記録における監査役設置会社にはずれが生じていました。

 会社法上の監査役設置会社の定義は、監査役が業務監査権限を有している場合なのですが、商業登記においては会計監査限定の場合でも監査役設置会社の旨が記録されていました。

 この齟齬を解消するため平成27年5月1日より改正会社法が施行され、「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある」旨の登記が必要となりました。ちなみに、5月1日以降監査役に関する登記を申請するまでこの猶予されます。
 特例有限会社は不要です

 会計監査限定である旨の定款を添付することが原則ですが、会社法施行前に設立している、いわゆる小会社は、商法上監査役の監査の範囲は会計とみなされています。
 したがって、定款に監査の範囲について明記されているケースは少ないのではないでしょうか。

 株主総会で定款変更を行っている場合は別として、定款に記載はないために定款を添付しても会計限定であることを証することができません。

 この場合、平成27年2月6日民商第13号通達「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」に記載されているとおり、

会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第53条の規定により、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるとみなされた株式会社であり、かつ、定款または株主総会の議事録のいずれも添付することができないことを記載した代表者の証明書

を添付することになります。

おわりに

長々と説明してありますが、ご不明なときは司法書士事務所にお問い合わせください。

google検索

だいぶ暖かくなりました。むしろ日中は暑いくらいですが未だに車のスタッドレスタイヤをノーマルに変更しそびれている坂口です、こんにちは。

 

本題。

次のような趣旨の記事を目にされた方も多いのではないでしょうか。

www.seohacks.net

 

弊事務所のサイトは外注ではなく個人で作成しています。
最近はバタバタしているためサイトのメンテナンス等を疎かになっていたのですが、この情報を知って以来、なんとか時間を作って対応させようと考えています。
(以前から費用シミュレーションのバージョンアップ等も検討していたため、並行して作業するつもりです)

サイトの構築などは半分趣味の領域だったので休日に作業したらいいと思うのですが、「休むことも仕事やで」というありがたいお言葉を頂戴しているので、後回しになっています。

ご不便をおかけしていますが、何卒ご理解ください。

ソースを書きはじめると、あっという間に数時間経過するくらい没頭してしまいます。